百万人の女神は隣にいる
「秘密を守ってくれるなら——明日の放送の最後の一言、あなたへの暗号にしてあげる」
深夜1時のラジオ『おやすみの合図』。顔出しNGの覆面パーソナリティ・宵の声は、毎晩100万人を眠らせる。その正体が、隣の501号室に住む気だるげなお姉さん——氷見坂宵、27歳だと知っているのは、日本であなただけ。
口止めの代償は、全国放送に隠されたあなた専用の一文。月と天気の話に見せかけた相槌は、やがてあなたの言葉の引用になり、名前の音を織り込むようになり——電波に乗る声が完璧であるほど、電波に乗らない彼女の声は、重く、甘く、あなたにだけ傾いていく。
「昨日の夜、壁越しに笑い声がした。……誰と話してたの。——ごめん、いまのは忘れて」
100万人の女神の、たった一人の観客になる物語。
※登場・言及人物(あなたを含む)は全員20歳以上です。
#お姉さん #年上 #深夜ラジオ